がん患者の日常:治療と仕事の両立奮闘記
がん患者の日常生活は、多くの人が想像する以上に複雑で挑戦的です。本記事では、前立腺がん患者である筆者の体験を通じて、がん治療と仕事の両立、そしてその中で直面する困難についてリアルに描写します。
治療のスケジュール
がん患者の生活は、定期的な治療スケジュールによって大きく左右されます:
- 3週間に1度の化学療法
- 不定期の整形外科と放射線治療科の受診
- 平均して月2回の病院通い
特に注目すべきは、病院までの往復時間が3時間にも及ぶことです。これは患者にとって大きな時間的負担となります。
薬物治療の実態
筆者の場合、以下のような薬物治療を受けています:
- カバジタキセル:3週間に1度投与
- ペグフィルグラスチム(ジーラスタ):カバジタキセル投与後1〜2日以内に注射
- 補中益気湯:だるさ対策の漢方薬
これらの薬物治療は、効果と副作用のバランスを取りながら継続する必要があります。
仕事との両立
自営業者である筆者にとって、仕事の継続は生活と治療を維持するために不可欠です。しかし、治療の副作用による強いだるさのために、仕事のスケジュールを調整せざるを得ないこともあります:
- 「午前の部」か「夜の部」のいずれかを休む日がある
- ひどい時には終日を寝て過ごす「臨時休業」の日もある
治療継続の決意
PSA値の改善が見られることから、筆者は副作用の辛さに耐えながらも治療を継続する決意を示しています。その背景には以下の理由があります:
- 残された仕事を完遂するための生存期間の確保
- 収入を得て医療を継続するための仕事の必要性
まとめ
がん患者の日常は、治療と仕事のバランスを取ることの難しさに満ちています。しかし、適切な医療サポートと自己管理、そして周囲の理解があれば、質の高い生活を維持しながら治療を継続することは可能です。
がん患者やその家族、そして医療従事者は、このような現実を理解し、互いにサポートし合うことが重要です。
用語解説:
- PSA(前立腺特異抗原):前立腺がんの指標となる血液中のタンパク質。値が高いほど前立腺がんの可能性が高くなる。
- カバジタキセル:前立腺がんの治療に使用される抗がん剤の一種。
- ペグフィルグラスチム(ジーラスタ):化学療法後の白血球減少を予防するための薬。