乳がん情報の真実:不確かな情報に惑わされないための完全ガイド

乳がんは女性の9人に1人が一生のうちに経験するとされる重大な健康問題です。しかし、インターネットやSNSには不確かな情報が溢れており、正しい知識を得ることが困難になっています。本記事では、乳がんに関する情報の見分け方と、信頼できる情報源についてご紹介します。

不確かな情報の例と専門家の見解

マンモグラフィー検査について

SNSでは「がん発生装置」などと称して検査を受けないよう訴える情報が広まっています。しかし、国立国際医療研究センター病院の清水千佳子医師は、これをデメリットだけを強調した不正確な情報だと指摘しています。

清水医師は「40代や50代の乳がんになりやすい年代では、早期に乳がんが見つかって治療につながるというメリットのほうが上回ります」と説明しています。

抗がん剤とイベルメクチンに関する誤情報

「抗がん剤は2次的ながんを発生させる」や「イベルメクチンが乳がんに効く」といった投稿も見られますが、これらも科学的根拠に乏しい情報です。

清水医師は「乳がんの薬の治療を専門としている医師の間で、イベルメクチンが乳がんに効くという情報はどこにもない」と述べています。

信頼できる情報の見分け方

「か・ち・も・な・い」で覚える5つのポイント

  1. 科学的根拠があるか
  2. 治験を行っているか
  3. もうけ主義になっていないか
  4. 何でも治せると言っていないか
  5. 一般的な治療法と比較しているか

注意が必要なウェブサイトの特徴

  1. ほぼすべてのがんに対応すると謳っている
  2. 標準治療と併用可能と主張している
  3. 他では受けられない独自開発の治療を提供している
  4. 国際科学雑誌に多数掲載されたと強調している

信頼できる情報源

  1. 国立がん研究センターの「がん情報サービス」(ganjoho.jp)
  2. 日本乳癌学会(jbcs.gr.jp)
  3. がん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
  4. 主治医への相談

セルフチェックの重要性

清水医師は、早期発見のためのセルフチェック(ブレスト・アウェアネス)の重要性を強調しています。生理後に定期的に自己検診を行うことで、異常を早期に発見できる可能性が高まります。

まとめ

乳がんに関する正確な情報を得るためには、信頼できる情報源を利用し、不確かな情報に惑わされないことが重要です。定期的な検診とセルフチェックを組み合わせることで、早期発見・早期治療の可能性を高めることができます。


用語解説

  • マンモグラフィー:乳房のX線検査。乳がんの早期発見に有効とされる。
  • イベルメクチン:寄生虫駆除薬。COVID-19治療薬として注目されたが、乳がん治療効果は未確認。
  • ブレスト・アウェアネス:乳房の状態に対する意識を高め、定期的に自己検診を行うこと。