医師が体験した前立腺がん:患者支援の重要性を訴える
元宮古市長で医師の熊坂義裕さん(72)が、ステージ4の前立腺がん闘病体験を通じて見えてきた日本のがん医療の課題について、著書「がんと折り合いをつけて生きる」で提言しています。医療者と患者、双方の視点から見た貴重な体験は、がん医療における患者支援の重要性を浮き彫りにしています。
医師として、患者として
予期せぬ診断
- 糖尿病検査をきっかけにがんが発見
- ステージ4の前立腺がんと診断
- 転移も確認
治療への取り組み
- 内分泌治療の実施
- ロボット手術の受診
- 医師としての知識を活かした対応
見えてきた課題
情報格差の現実
- 医療従事者と一般患者の情報アクセスの差
- 専門的知識の有無による治療選択の違い
- 人脈の有無による医療サービスへのアクセス差
患者が直面する問題
- 再発への不安
- 就労の課題
- 病気への社会的偏見
- 恋愛や結婚に関する悩み
- 相談相手の不足
がんサバイバーシップの重要性
概念の普及
- がんと共に生きる社会の実現
- 患者の生活の質の向上
- 社会全体でのサポート体制の構築
必要な支援
- 医療情報へのアクセス改善
- 心理的サポートの充実
- 社会復帰支援の強化
- 家族支援の拡充
著書について
内容
- 個人の闘病体験
- 家族の視点からの記録
- 医学的な情報の解説
- 具体的な支援提案
目的
- がん患者の孤立防止
- 支援体制の改善提言
- 社会的理解の促進
まとめ
熊坂さんの経験は、日本のがん医療が直面する重要な課題を浮き彫りにしています。治療技術は進歩していますが、患者と家族への支援体制はまだ十分とは言えません。がんサバイバーシップの概念を広め、社会全体で患者を支える体制づくりが急務です。
用語解説:
- がんサバイバーシップ:がんの診断を受けた時から、一生涯にわたる心身の健康と生活の質に関わる諸問題への対処を包括的に指す概念。
- ステージ4:がんの進行度を示す分類で、最も進行した状態を指す。
- 内分泌治療:ホルモンの働きを利用してがんの増殖を抑える治療法。