世界小児がん啓発月間2024:ゴールドセプテンバーキャンペーンの意義と広がり
9月は「世界小児がん啓発月間」です。この機会に、日本で急速に広がりを見せている「ゴールドセプテンバーキャンペーン」について、その意義と最新の取り組みをご紹介します。
ゴールドセプテンバーキャンペーンとは
ゴールドセプテンバーキャンペーンは、小児がんに対する社会の理解と支援を促進するための啓発活動です。全国の名所やシンボルを金色にライトアップすることで、小児がんの存在と支援の必要性を広く訴えかけています。
キャンペーンの特徴
- 期間:9月1日〜30日
- 主催:日本小児がん研究グループ(JCCG)
- 参加施設:全国約120カ所(2024年現在)
なぜ「ゴールド」なのか
ゴールドは小児がん支援のシンボルカラーです。その理由は以下の通りです:
- 子どもたちが「金」のように貴重な存在であることを表現
- 小児がんと闘う子どもたちに「輝かしい光を」という願いを込めている
キャンペーンの広がり
日本でのゴールドセプテンバーキャンペーンは、2021年に始まりました。その後の発展は目覚ましいものがあります:
- 2021年:15カ所でライトアップ
- 2022年:38カ所に拡大
- 2023年:69カ所に増加
- 2024年:約120カ所で実施
2024年の主なライトアップ施設
- 東京スカイツリー
- 出雲大社
- 岐阜市役所
- 名古屋オアシス21「水の宇宙船」
キャンペーン開始時の課題
JCCGによると、キャンペーン開始当初は理解を得ることに苦労したそうです。例えば、東京都庁へのライトアップ依頼時には、以下のような課題に直面しました:
- 他の疾患(例:乳がん)と比べて、明確な啓発メッセージの不足
- 小児がんの発症原因が不明確な場合が多く、検診や予防の呼びかけが難しい
- 小児がん治療に携わる人々への理解や支援の不足
これらの課題を乗り越え、キャンペーンは年々規模を拡大しています。
小児がんの現状
日本では年間約2000人の子どもたちが小児がんと診断されています。その中には、国内での治療では完治が難しいケースも含まれています。
支援の呼びかけ
JCCGは、小児がんと闘う子どもたちとその支援者への応援を呼びかけています。具体的な支援方法として、以下を提案しています:
- 小児がんについて正しく理解する
- 小児がん治療研究への寄付(JCCGのウェブサイトから可能)
まとめ
ゴールドセプテンバーキャンペーンは、小児がんという重要な課題に社会の目を向けさせる効果的な取り組みです。金色に輝く各地のランドマークは、小児がんと闘う子どもたちへの希望の光であると同時に、社会全体に支援の必要性を訴えかけています。
この9月、私たち一人一人が小児がんについて学び、できる範囲で支援の輪に加わることで、多くの子どもたちとその家族に希望をもたらすことができるでしょう。
専門用語解説
- 小児がん:18歳未満の子どもに発症するがんの総称。主に白血病、脳腫瘍、神経芽腫などが含まれる。
- 日本小児がん研究グループ(JCCG):全国約200の病院の医師らで構成された、小児がんの治療研究を行う非営利団体。