ゲノムAIが切り開く、未来医療への扉【富士通の挑戦】
近年、AI技術は目覚ましい進化を遂げ、様々な分野で変革をもたらしています。富士通もまた、AI技術を積極的に研究開発に取り組んでおり、特に「ゲノムAI」と呼ばれる分野において、大きな成果を挙げているようです。
ゲノムAIは、全遺伝情報(ゲノム)とAIを融合させた技術であり、がんの診断や治療、個別化医療、創薬など、医療分野における革新を牽引する存在として期待されています。
AIは、IT系に注目が集まっていますが医療とも相性がよく、医療現場でのAI活用が期待大です!
富士通が注力する「病原性推定」と「マルチモーダルゲノム」
富士通は、ゲノムAIの中で特に「病原性推定」と「マルチモーダルゲノム」という2つの技術に注力しています。
病原性推定は、患者のゲノムからがんの原因となる遺伝子の変異を高精度に測定し、その変異がどのようにがんの発症に関与しているのかを解明する技術です。この技術は東京大学医科学研究所との共同研究で進められており、世界初の研究成果として学術誌に掲載されるなど、その有用性が認められています。
マルチモーダルゲノムは、従来別々に扱われてきたゲノム情報と病理画像データをそれぞれナレッジグラフに変換し、関連データや知識をつなぎ合わせることで、大規模な統合データベースを構築する技術です。この技術はスペインのバルセロナスーパーコンピューティングセンター(BSC)との共同研究で進められており、肺がんの種類分けにおいて世界最高精度となる92.1%を達成しています。
ゲノムAIがもたらす革新:個別化医療と創薬への貢献
ゲノムAIは、がんの診断や治療の精度向上だけでなく、個別化医療や創薬への貢献も期待されています。
個別化医療とは、個人のゲノム情報に基づいて最適な治療法を決定する医療です。ゲノムAIは、個々人のゲノム情報を解析することで、より効果的かつ安全な治療法を開発することを可能にします。
創薬とは、新しい薬の開発です。ゲノムAIは、病気の原因となる遺伝子やタンパク質を解析することで、従来よりも効率的かつ効果的な新薬の開発を可能にしています。
富士通の強み:7年の実績とナレッジグラフ技術
富士通は、ゲノムAI研究において7年以上の実績を誇っており、特にナレッジグラフ技術に強みを持っています。ナレッジグラフは、様々な種類のデータを体系的に統合し、知識を表現する技術です。この技術をゲノムAIに活用することで、より高精度な分析や予測が可能となります。
まとめ:ゲノムAIが拓く、未来医療の可能性
富士通のゲノムAI研究は、医療分野における革新を大きく加速し、多くの人々の健康と幸福に貢献することが期待されます。今後も、富士通はゲノムAI研究を積極的に推進し、未来医療の実現に向けて貢献していくことでしょう。
参考情報
- 富士通株式会社 プレスリリース: https://activate.fujitsu/en/key-technologies/ai
- 東京大学医科学研究所: http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/
- バルセロナスーパーコンピューティングセンター: https://www.bsc.es/