身近だけど存在感の薄い「食道の病気」

最近、夏に向けてどんどんと暑くなってきていますね!
夏に増える胃腸の不快感や不調を訴える人が意外にも少なくないのをご存知でしょうか?
冷たいものの摂りすぎ、カラダの冷やしすぎ、夏バテ、、、、

あなたのカラダは大丈夫でしょうか?

胃腸の不調は誰しも経験しますが、「食道が痛い」と訴える人は意外と少ないものです。しかし、食道もがんになることがあります。みなさんは聞いたことがありますか?
著名人が食道がんを公表したという話は聞いたことがあるかもしれませんが、多くの人にとって、食道がんはどこか他人事のような存在かもしれません。

この特集では、食道がんについて、リスク要因、早期発見、お酒との関係、増えている逆流性食道炎への対処法などを、東邦大学医学部外科学講座教授の島田英昭氏に詳しく伺った記事の内容になっています。

症例:お酒好きAさん、人間ドックで食道がんが発覚

50代男性Aさんは、お酒が大好きな方でした。若い頃は弱かったのですが、宴席で鍛えられて飲酒量が増え、今では毎日ビール2缶程度の晩酌を欠かしません。30代前半まではタバコも吸っていたようです。

コロナ禍で数年遠ざかっていた人間ドックを受診したところ、上部消化管内視鏡検査で食道に異常が見つかり、食道がんと診断されました。自覚症状は全くなかったため、Aさんにとって青天の霹靂でした。

幸い、早期発見だったため、後日、内視鏡治療で取り除くことができたのですが、担当医からは「食道全体が傷んでいて、このままお酒を飲み続けると再発のリスクがあります。これからは禁酒を」と言われてしまいます。毎日の楽しみを失い、Aさんはすっかり落ち込んでしまいました。

手術難易度が高い食道がん:最大のリスクは酒とタバコ

一般的に、がんは早く見つければ治療しやすいです。食道がんも同様で、Aさんのように早期発見できれば、内視鏡治療で取り除くことができます。しかし、進行してから発見されると、大がかりな手術が必要になります。食道がんの手術は難易度が高く、患者の体への負担も大きくなります。

「さらに、食道がんは転移が早いという特徴もあります。また、口の中にできる舌がん、喉にできる咽頭がん・喉頭がん、さらに胃がんを併発することも珍しくありません。」と島田氏は警鐘を鳴らします。

しかし、食道がんのリスクはすべてが運任せではありません。 最大の要因であるお酒とタバコを控えることが重要です。特に、お酒を飲むと顔が赤くなる方は、食道がんのリスクが特に高いことが分かっています。

参考元:日経Gooday
身近に潜む「食道がん」のリスク 早期発見が明暗を分ける!https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/24/070100017/070200001/?i_cid=nbpgdy_sied_catelist