今年の夏も暑くなりそうですが、たまには日焼け止めなしでビタミンDの体内合成を!

観測史上、最も暑い夏がやってくる?

欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、昨年の2023年6月は観測史上最も暑い月となり、13カ月連続で記録的な高温が続いていることが判明しました。今年2024年の年間最高気温は、1800年代半ばの観測開始以来、最も高くなる可能性が95%と予測されています。

日本でも猛暑日が続き、7月には静岡市で40度を超える今年初の40度台を記録しました。
熱中症対策が叫ばれる一方で、日焼け対策も重要です。しかし、日焼け止めを塗るとビタミンDが不足するのでは……という不安もつきまといます。

ビタミンDは、カルシウムの吸収や骨の成長を促す重要な栄養素です。不足すれば、骨折や骨粗しょう症のリスクが高まります。
一方、紫外線は皮膚がんや白内障の原因となるため、過度な露出は避けなければなりません。

酷暑のなか、日焼け対策と健康維持の両立をどのように実現すればよいのでしょうか?この両立が非常に難しいのです。

脳からの活性酸素がもたらす疲労感

近年、紫外線が人体に与える影響として、疲労感も注目されています。

紫外線を浴びると、脳から活性酸素が大量に分泌され、神経細胞がストレスを受け、脳疲労を引き起こすことが分かっています。これが、日差しが強い日に外出した後に感じる疲労感の正体です。

日焼け止めを塗っていても、サングラス越しに紫外線が目に届くことで、脳疲労につながる可能性があります。

日焼け止めとビタミンD欠乏の関係

日焼け止めは、皮膚への紫外線透過量を減らすことで、日焼けや皮膚がんのリスクを低減します。しかし、同時にビタミンDの合成量も減少させてしまいます。

ビタミンDは、体内で生成される量が少ないため、食事や日光浴から摂取する必要があります。日光浴は、ビタミンD合成の効率的な方法です。

しかし、日焼け止めを塗ることで、日光浴によるビタミンD合成量が大幅に減ってしまうのです。

医学文献から探る、日焼け対策とビタミンD補給の良い落とし所

日焼け対策とビタミンD補給の両立には、いくつかの方法があります。

1. 日焼け止めを塗るタイミングを見極める

日焼け止めは、必ずしも外出時すべての肌に塗る必要はありません。日陰にいる時や、短時間の外出であれば、日焼け止めを塗らずに過ごしても問題ありません。

また、SPF値の高い日焼け止めは、紫外線防御効果が高い反面、ビタミンD合成を阻害する可能性も高くなります。SPF値は、必要最低限のものを選ぶようにしましょう。

2. 露出する肌の箇所を限定する

日焼け止めを塗る代わりに、帽子やサングラス、長袖の服などで肌を露出する箇所を限定する方法もあります。特に、顔や首筋など、日焼けしやすい部分は重点的に保護しましょう。

3. 日光浴を計画的に取り入れる

週に2~3回程度、15~30分程度の日光浴を計画的に取り入れるのも有効です。ただし、正午前後の強い紫外線は避け、日陰を取り入れながら日光浴を行うようにしましょう。

4. ビタミンDのサプリメントを検討する

日焼け対策を徹底している場合や、日光浴の機会が少ない場合は、ビタミンDのサプリメントを検討するのも一つの方法です。

サプリメントを選ぶ際は、ビタミンD3とビタミンD2の両方が含まれているものを選ぶと、より効果的です。

5. 血液検査でビタミンD値をチェックする

定期的に血液検査を行い、ビタミンD値をチェックすることで、不足している場合は早めにサプリメントなどで補うことができます。

まとめ:ライフスタイルに合わせて最適な方法を選択する

日焼け対策とビタミンD補給は、どちらも健康維持にとって重要な要素です。

それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分のライフスタイルに合わせて最適な方法を選択することが大切です。

正直、ビタミンDの合成と皮膚がんなどのリスクで落とし所を探すのは非常に難しいところですが、上記に記載したところで自分の良いと思える按配を探しましょう。